40歳からのブログ SWの日常

ソーシャルワーカー備忘録。いわゆる雑記。

精神障害のある人の支援に求められる人権擁護の視点

以下、レポート練習(転用禁止)。自身の学習のために記述。

精神障害のある人の支援に求められる人権擁護の視点について、筆者が障害をもった実体験を踏まえて感想を述べる。

日本では、精神障害のある人は精神科病院の入院での治療が主体であり、歴史をさかのぼること、精神病者監護法からおよそ100年後に精神保健福祉士法が制定(1995年)、改正(2000年の改正をさす)された。精神障害のある人の人権の歴史は、精神保健福祉関連の法制の遍歴をそのままたどっている。精神病院法(1919年)は医療の質を求めたものではなく、精神障害のある人を隔離する場と解釈できる法となった。精神衛生法(1950年)で、精神病者監護法・精神病院法は廃止されたが本人の同意はない保護義務者の同意に基づく入院が可能となった。宇都宮事件(1984年)をきっかけに法整備がされていく。精神保健法(1987年)では、精神衛生法から名称が精神保健法に変わり本人の同意に基づく「任意入院制度」が新設された。精神保健福祉法(1995年)にようやく、精神障害のある人のための法律に「福祉」という概念が加わった。

筆者が、医者の勧めで精神病院への入院を勧められたのが、2003年~2006年の間である。当時の法律では、よほど重度でない限り、本人が拒めば入院は拒否ができた。入院には見学があったが、開放的とはとても言い難いつくりだった。閉鎖病棟だったかの説明はさだかではないが、硬い鉄の扉があり、厚さが尋常でなかったことを記憶している。外部との連絡は一切遮断されることを伝えられ恐怖に包まれた。結果的に入院に至らず、自宅で治療することとなったが、当時は在宅で精神障害のある人への支援はほとんどない状態であった。精神障害のある人が自ら助けを求めることは困難であることから、2000年の精神保健福祉士法改正があっても実際の在宅福祉施策は浸透していなかったと考えられる(筆者在住の市区町村に限っては)。人権の侵害はなかったと判断できるが、擁護されていたかというと判断が困難ではないか。

精神障害のある人の人権の歴史と実体験を比較すると、当時の筆者は入院を拒むことができたが、当時、本人の意思で入院していなかった人々の人権はどうだったのかと考える。現在も措置入院は残ったままで、医療保護入院、応急入院といったように強制入院は可能である。

現在、精神障害のある人の人権擁護は法的観点から考えると進んできていることは事実である。しかし、精神障害のある人の支援に求められる人権擁護の視点として、「誰が、障害のある人を取り巻いているのか」、「支援が必要である人を埋もれさせてはいないか」といった視点が必要ではないか。障害のある人の権利は誰が守っているのか、障害のある人が自身で守ることはできるのか。そうした視点で精神障害のある人の支援を行うことが重要であると考える。

 

入院制度について 厚生労働省精神・障害保健課(平成23年)

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r985200000101rg-att/2r985200000101xf.pdf

北島 英治 (編集), 副田 あけみ (編集), 高橋 重宏 (編集), 渡部 律子 (編集) 『ソーシャルワーク実践の基礎理論 改訂版 (社会福祉基礎シリーズ 2巻)』(2010年)有斐閣