40歳からのブログ SWの日常

ソーシャルワーカー備忘録。いわゆる雑記。

昨日かけなかった生活保護受給について イライラする前に制度をしるべし自分メモ

5月2日の毎日新聞で「<生活保護却下>男性、生活ギリギリでがん治療受けずに死亡」という記事があって、TV・ニュースをみない私はなんとツイッターでそのニュースを知りました。

この見出しだけみると、「生活保護を却下されたおかげで人が病気の治療を受けられずに亡くなった」という風に思えます。私も初めはそうとらえました。

記事内容について

兵庫県内で昨年3月、4年間にわたり体調不良の症状がありながら経済的な理由で病院にかかっていなかった男性(当時78歳)が、直腸がんで死亡していたことが全日本民主医療機関連合会(民医連)の調査で分かった。男性は数年前に生活保護申請を却下されていたという。県民医連は「この例は氷山の一角。行政がもっと丁寧に対応していれば手遅れにならなかったかもしれない」としている。 県民医連によると、男性は独身で1人暮らし。親族や友人もおらず月額10万円の年金で、家賃1万2000円の県営住宅に住んでいた。生活保護の申請を出した自治体からは「生活保護の基準より収入が若干多い」という理由で却下されていた。 4年前から下痢が止まらず、2、3年前からは血便の症状もあったが、生活がぎりぎりだったため病院にかからず、市販の薬で済ませていた。昨年2月26日、無料低額診療事業を実施している病院に初めて行き、その後直腸がんが進行していることが判明。医師らは入院を勧めたが本人が「金がかからないと言われても信用できない」と拒否し、約1カ月後に自宅で死亡しているのを警察官が発見したという。 県民医連の北村美幸事務局次長は「生活保護の申請時、行政は本人の身体の状態も聞き取ってほしかった。病院での無料低額診療事業がもっと広く認知されて、医療費の心配をしている人が安心して受診できるようにするべきだ」とした。調査は2005年から毎年、全国の加盟医療機関を対象に実施している。昨年の調査では、同様の死亡例は全国で58例が確認されている。引用:H29.5.2毎日新聞より

私なりに必要なポイントだけ抽出

  • 男性は4年間、病院にかかることができなかった(2、3年前からは血便の症状もあった)
  • 月々の年金は10万円(家賃が12,000円なら生活費は88,000円)
  • 男性は数年前に生活保護申請を却下されていた(理由:生活保護の基準より収入が若干多い)
  • 本人が「金がかからないと言われても信用できない」と治療を拒否
  • 県民医連の北村美幸事務局次長は「生活保護の申請時、行政は本人の身体の状態も聞き取ってほしかった。病院での無料低額診療事業がもっと広く認知されて、医療費の心配をしている人が安心して受診できるようにするべきだ」とした。ふーん。

最近、生活保護ジャンパーの話といい、生活保護制度にまつわる事件が耳に入ってくる機会が増えたなと思います。

そんなところ、生活保護受給ってどうしたらできるのかどういうことなのか知っている人はどれだけいるのだろうと思ったので、少し考えてみたいと思います。制度知らないで生活保護受給者や事件をどうこういうのはナンセンスだと思います。制度(要するに法律)を知ったうえで持論を持つことがよろしいかと個人的に思っています。

よかったら、生活保護法

生活保護法というものがあります。

▼私のバイブル福祉六法

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長いので、気が向いたら読んでください。生活保護法

第一章 総則

(この法律の目的) 第一条

この法律は、日本国憲法第二十五条 に規定する理念に基き、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とする。

(無差別平等) 第二条

すべて国民は、この法律の定める要件を満たす限り、この法律による保護(以下「保護」という。)を、無差別平等に受けることができる。

(最低生活) 第三条

この法律により保障される最低限度の生活は、健康で文化的な生活水準を維持することができるものでなければならない。

(保護の補足性) 第四条

保護は、生活に困窮する者が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することを要件として行われる。 2 民法 (明治二十九年法律第八十九号)に定める扶養義務者の扶養及び他の法律に定める扶助は、すべてこの法律による保護に優先して行われるものとする。 3 前二項の規定は、急迫した事由がある場合に、必要な保護を行うことを妨げるものではない。

太字の部分、これだけ理解していればOK。社会福祉士の国家試験に受かりたかったら頭にいれておいて欲しい箇所です。

保護には種類と範囲があります。

それが書かれているのが第三章。いちいち書いている面倒なのですが、

  1. 生活扶助(金銭給付)
  2. 教育扶助(金銭給付)
  3. 住宅扶助(金銭給付)
  4. 医療扶助(現物支給)
  5. 介護扶助(現物支給)
  6. 出産扶助(金銭給付)
  7. 生業扶助(金銭給付)
  8. 葬祭扶助(金銭給付)

この8つです(社会福祉士目指している人にとっては常識ですのであしからず)。

生活保護を受けるにはどうしたらいいの?と聞かれることがよくあります。そのたびに福祉事務所にきいてくれと思います。あと、生活保護法を読んでくれと。

私は相談に来た人に失礼を先にお詫びしながら、「ジャンプしてみてお金の音がしない状態」と説明していました。

生命保険は解約です。貯金もすっからかん。できれば財布にもお金がないことが理想です。車とかダメ。貴金属類は知らないけど、財産的なものはすべて処分です。あとは家族もアップアップで支援ができないなど、そうした場合です。

私が生活保護を受けるためにはどうなったらいいのか

実際、私自身を事例として挙げてみます。

私は、子供と2人で生活をしていて、両親は他界しており、妹は大金持ちですが疎遠です。口も聞きたくないし顔もみたくないと絶縁状態です。離婚した夫からは一銭も養育費を貰っていません。もともと専業主婦だった私は離婚後、すぐに職に就くことができず、貯金を切り崩して生活をしてきました。やっと仕事は見つかりましたが、手に職がない私は時給900円で一か月の給与は8万円です。貯金はもうありません。

多分、この状態で生命保険を解約したら、多分生活保護受給はできるのではないかと思います。もちろん妹のところには福祉事務所から電話が行きます。本来、2親等である妹は私を保護する義務があるのですが、しないと言ってる場合はその限りではありません。また妹がすっからかんの場合もありますし。

で、私は現在群馬県に住んでいるので、群馬県の等級をみてみたいと思います。生活保護法の最後のほうに付録的に生活保護法による保護基準というものがあります。ちなみに北海道はI区です。群馬県はV区。I~VI区と6段階に分かれています。それぞれ、その人住んでいるところ、家族構成などなどで生活保護が受けれるかどうかが決まることになります。もらえる金額も違います。

私はリアルに計算したことがあるのですが、なんと、生活保護受給したほうが今よりいい生活ができるのです。ただ私は貯金をしているし家族との関係性が非常によいのでまず申請はとおりません。

多分、その方はギリギリ生活保護対象外の年金額だったのだと思います。地域によって法律で定められている最低限の生活水準は異なります。

私は役所を擁護するわけではないのですが、そもそも医療不信になった理由が明確化されていません。

そして私の主観を述べてみる

多分、エライ人のこのセリフは正しいと思います。申請時にもう少しアセスメント(課題分析)をしていれば医療の必要性をご本人が理解できたのだと思います。そもそも狙ったわけでもない保護申請はとても辛いものだと思います。そこで却下されたら年齢的に傷つくと思います。私なら、そっこう不服申し立てです。

問題は、多分福祉事務所が保護申請を却下したことにあるのではなく、申請時にちゃんとアセスメントできなかったことにあると言っているようです。

だって、年金10万円なら医療費は一ケ月どんだけ通院しても8000円しかかからないし、薬をいれても20000円以下です。私がCWなら受診をなんとしてでも勧めるから、CWさん受診すすめたんじゃないかなぁなんて思うのです。88000円から20000円ひいてみて残り60000円。光熱費や通信費を考えてみても残り40000円。食費が30000円としてもお小遣い10000円。何故、保護申請してきたのか気になります。

あと、すごく冷たいことをいうようだけど、お金がかかると困ると受診を拒んだご本人には問題はなかったのか気になります。もう少し詳細に記事を書いてくれないと何が問題なのか、何を私たちに訴えたいのか意味わかりません。

保護申請を却下した行政が悪いの?

無料診療所を案内しなかった行政が悪いの?

それとも何かのアンチテーゼ?

私もネット記事しか読んでいないので、詳細はわかりません。ついでに行政大っ嫌いだから、福祉事務所とかお役所の肩を持つ気はさらさらありません。

ただ、58例もあるこの事例。このまま続いていっていいわけありません。こうした事件がなくなるために何をどうせいということなのかを教えてもらいたいと思いました。

医療拒否した理由は実際お金がかかるということだけだったのか不明です。 

以前、小田原市のジャンパー事件がありましたがなんか事情も知らないのに福祉事務所のCWをたたくことに私は違和感をおぼえます。CWさんとは数年前、本気のケンカをしたことがあるのでどっちかというと嫌な人にばかりあたってきました。でも、不正受給があるのも事実です。

関係ないけど歩きタバコをする人のせいで喫煙者は「悪」と言われてしまったことと私は似ていると思います。ちゃんとマナーを持って喫煙している人がほとんどなのに、少数の歩きタバコのせいで喫煙者が「悪」みたいな目でみられることに違和感です。

私も、もっとこの事件について、しっかり記事と事実確認をしてから、もの申せと言われそうな話です。でも、私が言いたいのはこの年間58例を減らすためにはどうしたらいいのかをみんなが考えているか。そして考えたからどうなるんだ。記事にメッセージ性を感じませんでした。ソーシャルワーカー向けの記事かと思ってしまいました。

無料診療所もそんないっぱいないからね。この記事だけ読んだら、亡くなったご本人を病院が首に縄でも括り付けて治療すればよかったじゃないか(違法だけど)と思ってしまうのです。

でも、まぁ記事がでたから世間にもこうしたことがあるんだなって思ってもらえるんでしょうかね。疑問です。

追記:事例はフィクションです。