40歳からのブログ SWの日常

ソーシャルワーカー備忘録。いわゆる雑記。

1日で終わる恋があるなんて知らなかった P2

前回の内容

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私は、山崎をそっちのけで景色を眺めていた。あの時の彼はそれはそれで面白い女と思った。

半日の長い講義が終わり、私は翌日はせっかくきた京都なので市内観光をするつもりだった。

講義の後、有志で居酒屋での親睦会をすることになっていた。一次会は、わがままな私でも参加をすることにした。しかし、翌日の観光に差し控えてはならないので、21時には失礼するつもりでいたのだ。

一次会では、山崎を先生と慕う生徒で山崎が埋まった。私は言うなれば山崎の前座であるので、近くに座っている先生たちと談笑していた。

1時間もたち、そろそろ、帰ろうかなと店の中の幹事に声をあけるべく辺りを見回すと真横に、山崎が座ってハイボールを飲んでいた。

「おかえりになるんですか?」

「ええ、明日はのんびり観光してから帰ろうかと思うので」

「・・・・」

会話が途切れた。途切れる会話をするなら話しかけないでもらいたいと、少しイラッとして席を立とうとすると

「キミ、僕の話より景色の方がそんなに楽しかったの?」

ハイボールに視線を向けたまま山崎は私に質問をしてきた。

「あ、はい」

あまりに唐突だったため、浮いた腰を下ろして、本音を言ってしまった。

「あ、面白くなかったわけではないのですが、なかなか京都の景色をみながら、こうした講義をきくという設定に慣れていませんで。」

私は謝っていいのか、謝ればつまらなかったことを肯定することになる、どうすればよいか頭が混乱していた。

ハイボールを一口飲んで山崎は言った。

「あからさまにそっぽむいてるから、僕の講義がつまらないという人間もいるんだという誰かの代弁でもしてるのかと思いましたよ。それともキミの話を僕がきいてなかったと勘違いされてるのかと少しこちらも不快でしたよ」

私はイラつきがました。

「興味のない分野の話をされて、その話が興味深くなかった場合、退出するのがよかったのでしょうか」セリフは大人気ないが、優しく丁寧にゆっくりを心がけた。

「今、キミ、僕にいらっとしたでしょ。なら、それでおあいこね。仲良くしよう。僕は山崎だ、これからもよろしく。」

仲良くする気があるのか視線はハイボールのまま、山崎はそう言った。